湯山賢一(神奈川県立金沢文庫文庫長・東大寺ミュージアム館長)編『古文書料紙論叢』が勉誠出版から今月刊行される予定です。

以下、公式サイトからの引用です。
料紙は何を伝えているか―古文書をめぐる新史料論を提示する
古文書は歴史学における基本史料として、連綿と研究が積み重ねられてきた。
しかし、その基底材たる料紙については、あまり顧みられることがなく、その研究・調査は等閑に付されてきたといっても過言ではない。近年の研究の進展により料紙の持つ情報が、当該史料の位置付けを左右するほどに重要であることが明らかになってきている。歴史学・文化財学の最前線に立つ43名の執筆者の知見から、現存資料の歴史的・科学的分析や料紙に残された痕跡、諸史料にみえる表現との対話により、古代から近世における古文書料紙とその機能の変遷を明らかにし、日本史学・文化財学の基盤となる新たな史料学を提示する。巻末には料紙研究の展開を一望できる文献一覧を附した。

目 次
序 言 湯山賢一
第1部 文書料紙の変遷(総論)
我が国に於ける料紙の歴史について―「料紙の変遷表」覚書 湯山賢一
律令制公文書の料紙について 杉本一樹
料紙抄造の変遷―日本では紙をどのように造ってきたか 増田勝彦
近世の社会・組織体と文書料紙 大藤 修
第2部 古代文書・典籍の料紙
手実紙の由来―写経所内料紙論 佐々田 悠
平安期の古文書研究における現物調査の意義―栄山寺文書を素材として 渡辺 滋
東京国立博物館所蔵文書に見る料紙の変遷について 高橋裕次
文化庁保管の『九条殿御集』について 梅澤亜希子
中世軍記史料における料紙表現―『平家物語』諸本を中心に 高橋恵美子
第3部 中世文書・聖教の料紙
東大寺所蔵「右大将家御書案文」について 黒川高明
古文書料紙の使用法覚書―御判御教書と御内書 林譲
『中院一品記』所収光厳天皇宸筆書状の料紙について 高島晶彦
封をする経巻―如法経の巻緒について 吉川聡
足利義政初政期の幕府文書にみる「御判紙」 末柄豊
十五世紀~十七世紀近衞家の書札礼―対島津発給文書を中心に 伊集守道
端裏ウハ書をめぐって 山家浩樹
「紙」に関する古文書学用語の一考察 高山京子
東寺百合文書に伝存する起請文の料紙(牛玉紙) 富田正弘
第4部 東国武家文書の料紙
鎌倉府発給文書に関する一考察 池田 寿
室町期武家文書の竪切紙書状―益田家文書を中心に 山本隆志
「伊達氏重臣遠藤家文書」の料紙について 柳原敏昭
二枚一重の折紙―ある思い込みからの脱却 丸島和洋
戦国期越後における竪切紙の文書発給について―永正~天文期の長尾上杉氏を中心として 前嶋敏
「色部氏年中行事」にみえる料紙について 田島光男
第5部 近世文書の料紙
前田利常後見期の加賀藩知行宛行状について 本多俊彦
近世大名家における目録の料紙と書札礼―加賀藩を事例に 千葉拓真
江戸後期の富山売薬における紙の使用について 兼子心
十九世紀における古文書調査と記憶継承―陸奥国仙台藩旧臣遠藤家文書の伝来から 天野真志
第6部 寺院文書の料紙
中世聖教の料紙―醍醐寺聖教を素材として 永村 眞
東大寺大仏殿修正会張文の形態と機能―請定・交名にあいた裂孔 横内裕人
寺院における小高・大高檀紙の利用と機能―「請定」と「張文」料紙を通して 藤井雅子
「巻数」と料紙―「醍醐寺史料」を中心に 西弥生
中世後期における東大寺の教学活動に関する試論―上生院浄実関係聖教にみる料紙の利用 坂東俊彦
大徳寺の文書箱・法衣箱と曝涼について 保立道久
第7部 東アジアの文書と外交文書の料紙
中国古文書料紙研究への視角 小島浩之
紙覚書―功徳の時代から教化の時代へ 朴竣鎬
清代戸部精微批文勘合小考―日明勘合の補考を兼ねて 橋本雄
江戸時代初期の東南アジア諸国との外交文書料紙について 藤田励夫
琉球国の芭蕉紙について―尚家関係資料中の記録類を中心に 地主智彦
第8部 抄紙と修復の科学
文書紙の繊維組成及び填料の観察 大川昭典
マユミ紙についての一私考 森香代子
紙漉と古文書 藤本孝一
古文書・古文書料紙の保存修理 鈴木裕

あとがき
執筆者一覧
古文書等料紙に関する研究論文・報告書等の編年一覧

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