書籍(洋装、和装、図書資料、雑誌)、紙資料(文書、地図、図面、ポスター)、紙作品(版画、デッサン)などの保存修復処置および予防的保存処置

企業アーカイブズへの処置事例③ デジタル化(代替化)に伴う解体と再製本

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【資料の概要】
東京の税理士法人第一経理が発行する情報誌『第一経理ニュース』は、1954年の創刊以来毎月発行されており、今回修復対象となった資料は創刊号から133号までを合冊製本したものである。創刊当初の号などは他に残っていない号もあるため、永年保存が求められる大変貴重な資料である。

【資料の状態】
ステープルで平綴じされたくるみ製本で、本文紙はペラ丁である。表紙、見返しの状態は比較的良好であるが、本文紙の半分以上(特に創刊初期の頃)が酸性紙で、茶変色、脆弱化、破損、欠損、フォクシングなどの損傷/劣化が見られる。一方、綴じに用いられているステープルに錆の発生は現時点においてほとんど見られない。

【処置方針】
オリジナル資料の永年保存のために将来的な劣化要因(本文紙の酸性劣化、ステープルの錆)を取り除き、デジタル化(代替化)することでオリジナル資料は極力利用しないようにする。すでに酸性劣化した紙の復元は不可能であり、本文紙に全面裏打ちなどを施しても紙自体の強度が増すわけではない。また、酸性紙は水分や接着剤を塗布しすぎると紙の色が暗色化し、処置に使用する材料(和紙・接着剤等)が不適切であると、その部分が硬化するとともに、処置を行っていない箇所との境目で負荷がかかる恐れがある。そのため、本文紙の損傷・脆弱化箇所に対しては必要最低限の修理・補強を行うのみとする。さらに、本文紙に酸性劣化の進行を遅らせるための脱酸性化処置を行い、処置前と外観を変化させることなく再製本したオリジナル資料は保存容器へと収納する。

【主な処置内容】
①ドライクリーニング
②表紙と中身を分離し、ステープルを外して綴じを解体
③本文紙の背固めに用いられている接着剤(ホットメルト)を削り落とした。
④本文紙の破損・脆弱・欠損箇所を適宜修理個所に合わせた和紙にて修理

⑤資料のデジタル撮影
⑥ブックキーパー法にて脱酸性化処置
⑦和紙による背貼り後、表紙との接続補強用の寒冷紗と一緒に麻糸にて綴じ直しを行った。

⑧花布の貼り戻し
⑨表紙の背を和紙で裏から補強し、中身と再接合した。
⑩アーカイバル仕様のシェル型保存容器に収納した。

【処置前の外観】

【処置後の外観】

 

保存修復処置事例

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