ヨーロッパの紙の製法
1.原料のボロ(亜麻や木綿の布)を選別する。
2.ボロを切り分けて、発酵させる。
3.洗浄して汚れを落とす。
4.ボロを叩解して、紙料を作る。
5.紙漉きは3人1組で行う。
(1)漉き桁を持って紙を漉く。
(2)漉いた紙をフェルトの上に乗せて、積み重ねる。
(3)プレスで圧搾して脱水後、ロープにかけて乾燥。
6.瑪瑙(めのう)などで紙の表面を擦って滑らかにする。
18世紀、出版物の増加とともに紙の消費量が増え、紙の原料であるボロが慢性的に不足し大きな社会問題となりました。そのため、各国はボロの調達に努めたり、ボロに代わる新しい原料の研究がなされたりしました。1798年フランスのルイ・ロベールが長網式抄紙機を発明し、1801~1808年にかけてイギリスのフォードリニアがそれを改良して実用化すると、連続して紙を作ることができるようになります。1806年にはドイツのイリッヒがロジンサイズを発明しました。それまでは出来上がった紙を膠と明礬の液に浸けてサイジングを行っていましたが、紙料を作るときにロジンを入れて抄紙後にはサイジング済みの紙を得られるようになります。しかし、その際に使用される硫酸アルミニウムにより紙の酸性度が上がり、のちの酸性紙問題につながっていきます。
製紙技術の進歩とともに一層ボロ不足が深刻化し、新しい原料が求められました。その中で、1845年ドイツのケラーが砕木パルプを作り、木材が紙の原料として使用されるようになります。しかし、砕木パルプはセルロースより劣化しやすいリグニンが多く、強度が弱い紙しか作れませんでした。その後19世紀後半に、薬品を使用しリグニンを溶かしてセルロースを取り出した化学パルプが発明され、紙の質も改善されていきました。
抄紙機は長網式抄紙機の発明後、技術の進歩とともに巨大な機械となり、抄紙能力もますます上がっています。一方で、酸性度の高い紙は劣化が早く、それまでのサイズ剤が紙を強い酸性にするということがわかっていたため、中性サイズ剤が開発され、中性から弱アルカリ性の紙が作られるようになり、現在では保存性の良い紙が得られるようになっています。


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