実物を見て学ぶ ― 慶應義塾図書館貴重書展示会
丸善丸の内本店で3年ぶりに開催中の第36回慶應義塾図書館貴重書展に行ってきました。
「この本文紙は触るとしっとりとした良質な洋紙なんだろうな」と想像したりしながら展示されている貴重書を見ていましたが、一番印象に残ったのは13世紀イングランドの写本でした。ヘリンボーン綴じ、少し面取りされた10mm以上はある木製表紙ボード、そして支持体の通し方まで、Szirmaiの『The Archaeology of Medieval Bookbinding』で見てきたロマネスク製本の特徴そのもの。本では何度も見てきた構造ですが、実物を目の前にするのは初めてで、色々な角度から写真を撮っていました。
修復の仕事では、本の構造を正しく理解することが欠かせません。そのため、実物に触れられる(近づける)展示会は、大切な学びの場でもあります。書籍は写真や文献から得られる知識も多くありますが、実物だからこそ分かる紙の質感や重量感、製本構造、素材の使われ方があります。
今回も多くの発見があり、大変有意義な時間となりました。ありがとうございました。


