(9)留め具
①長いストラップタイプ(15世紀後半まで)と②フック・クラスプタイプ(1400年頃に現れて普及)の2種類がある。ストラップは、空押しで装飾されたりしたが、よく古い本の端切れ革を再利用した。15世紀には装飾が少なかったが、16世紀になると多くなった。
(10)付属品(飾り鋲など)
ゴシックになると、本の大きさや使用・収納方法にもよるが、付属品は段々と減少した。
①材料としては、鉄・ブロンズ・真鍮・銅の合金・角・木など。
②鎖つきの本では、鍛鉄や真鍮の鎖を用いた。また、鎖が絡まないように、スイベル・猿環がついている。
(11)機能的特徴
ゴシック製本には、これまでの製本と比べると構造や材料に大きな変化が見られる。
①平背から丸背へ
②膠の導入(背の丸みを維持するのに重要)
③表紙ボードの接続方法の変化
④表紙ボードの端、小口の形の種類
⑤チリの発生
⑥新しい素材(仔牛や山羊のタンニン鞣し革、豚のトーイング革)
⑦粗悪な材料(綴じ糸など)や時短を求めた作業方法による基本水準の低下(本の生産量の増加による)
丸背になった結果として、
→重い本は時間とともに固くなる膠のために、背が動かなくなる。
→バッキングは折丁の連結と丸背の維持に役立つが、その連結の強さのためにページを自由にめくりづらくなった。
→パーチメントは背で自由に動きが取れないと、他の場所にストレスが発生して折れなどの歪みが生じる。
しかし、適切な丸みと適切な膠量であれば、数百年も持つ製本である。
(続く)


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