書籍(洋装、和装、図書資料、雑誌)、紙資料(文書、地図、図面、ポスター)、紙作品(版画、デッサン)などの保存修復処置および予防的保存処置

企業アーカイブズへの処置事例① 大正末期~昭和初期の電話帳

NTT印刷株式会社(旧株式会社NTTクオリス)様から同社が保管している大正末期~昭和初期に刊行された電話帳への保存修復処置のご依頼を受けました。当該資料は、収録地域の県立図書館においても所蔵が確認されていないものもあり(愛知県図書館、兵庫県立図書館)、資料希少性もとても高い資料となっております。また、弊社による修復と同時に一般公開に向けたデジタル化作業も行われました。
※愛知県図書館:http://www.aichi-pref-library.jp/list/denwacho/denwacho-n.pdf

1)『名古屋電話番號簿』大正14年
【処置前の状態】
表紙と中身は完全に分離し、表装材には欠損、破損、折れ、脆弱化のほかに過去にジョイント部分を修理したセロハンテープのテープ痕(残留接着剤)がみられる。ステープルによる綴じは、一部のページが外れ、またステープルには錆が発生している。本文紙は、酸性劣化(pH4.5)による茶変色と脆弱化、軽度の汚損、中度の破損と欠損、折れの他、ステープルの錆が移行している。また、表紙と同様に過去にページの外れや破損を修理したセロハンテープやそのテープ痕もみられる。

【主な処置内容】
①セロハンテープの基材およびテープ痕(残留接着剤)をエタノールで除去
②綴じを解体し、ステープルの錆を除去
③本文紙の破損、折れ、欠損を色合わせした和紙で修理
④表紙の破損、欠損を色合わせした和紙で修理
⑤麻糸で綴じ直し(4つ目平綴じ)
⑥表紙に新規背表紙を接続し、表紙と中身を再接合
⑦元背の貼り戻し
⑧表紙、本文紙の脱酸処置(ブックキーパー法)

【処置後の状態】


2)『兵庫縣下 特設電話番號簿』昭和4年

【処置前の状態】
表裏の表紙は完全に中身から分離し、背表紙はかろうじて接着している。表装材には欠損、破損、亀裂、折れ、脆弱化、磨耗のほか酸性劣化が生じている。ステープルによる綴じは、一部折丁が外れ、またステープルには錆が発生している。本文紙は、酸性劣化(pH3.0)による茶変色と脆弱化、重度の破損や欠損、折れがみられる。特に最初・終ページ付近の酸性劣化が著しく、その劣化は酸性紙の末期的な様相を呈している。また、綴じのステープルからの錆も本文紙へと移行している。

【主な処置内容】
①綴じを解体し、ステープルの錆を除去
②本文紙の破損、折れ、欠損を和紙で修理し、周縁部が欠損した本文紙は裏打ちも行って全体的な補強を図った。
③表紙の欠損修理、折れの補強を色合わせした和紙で行った
④麻糸で綴じ直し(4つ目平綴じ)
⑤表紙に新規背表紙(色合わせした和紙)を接続し、表紙と中身を再接合
⑥元背の貼り戻し
⑦表紙、本文紙の脱酸処置(ブックキーパー法)


【処置後の状態】

 

 

 

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