【所蔵】青山学院女子短期大学図書館

【資料の概要】
 対象資料のオーク・コレクションとは、「オークブックセラーズ社(絵本輸入業)の社主が個人で蒐集した英米の絵本と児童文学書のコレクションです。1933年に受け入れたもので、総数約270点の中には児童文学の古典というべき作品の初版本や著者のサイン入り本など、重要なものが含まれています。子どもの本の原点といわれるチャップブックから、マザーグースやトイブック類、また珍しい仕掛け(ポップアップ、覗き穴、折りたたみ式)絵本も数多く含まれています。」(青山学院女子短期大学図書館HPより引用)

【処置前の状態】
 19世紀(ヴィクトリア朝1837~1901)から20世紀中頃までの貴重な絵本表紙に貼られた図書管理用ラベルがそれらの美観を大きく損なってしまっている。処置の対象となった絵本表紙の紙質は、コート紙のほか木炭紙、和紙風の紙、布目模様の紙をはじめとする非コート紙などと種類は非常に幅広い。コート紙にもニス引きのものや顔料塗料を塗布したものなど様々となっている。また、これらのラベルの接着剤は貼付された年代(1990年代後半)からアクリル樹脂系エマルジョン形接着剤と推測される。

【処置方針】
図書管理用ラベルを取り外し、貴重な絵本の美観を回復させる。

【処置方法】
①ドライヤーによる熱でラベルの接着剤を軟化させる。
②何種類かの有機溶剤を使用してラベルの接着剤を溶解させる。
③上記①②を資料の状態によって単独、または組み合わせて実施してラベルを剥離した後、本紙に残留した接着剤をプラスチック消しゴムや硬質ゴムによってまとめることで除去する。