書籍(洋装、和装、図書資料、雑誌)、紙資料(文書、地図、図面、ポスター)、紙作品(版画、デッサン)などの保存修復処置および予防的保存処置

『絵入りロンドン・ニュース』への保存修復処置

【所蔵】宮内庁書陵部

【資料名】The Illustrated London News VOL.25

【刊行年】1854年

【刊行地】ロンドン

【資料の概要】
産業革命により近代化を迎えた欧米諸国では、動力印刷機による大量印刷がマス・コミュニケーションの発達を促し、数々の新聞が発行されました。その結果、速く、広く大衆へと情報伝達が可能となったのです。折しも、イギリスやアメリカでは、条約を結んだ日本に対する関心が高まりを見せていました。こうした欲求に応えたのが、当時発行された絵入り新聞だったのです。中でも、ここに紹介する『ザ・イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』は、その代表ともいえる新聞です。
絵入り新聞は、文字通り、国内外のさまざまな情報を、文字だけでなく、挿絵によって伝えていました。当時はまだ新聞に写真を印刷する技術が本格的には導入されていなかったため、木口木版による挿絵が画像の役割を担っていたのです。当時日本で起こった事件を、写真家が撮影した写真や、特派画家によるスケッチを基に印刷し、紹介した『ザ・イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』は、幕末から明治に至る日本の情勢を、世界に伝える大切なメディアだったのです。(印刷博物館HPより)

【処置前の状態】
①支持体、見返しがジョイント部/ノド元で切断され、表紙と中身が完全に分離している。
②表装材のクロスには部分欠損や破損が特に背表紙を中心に見られる。
③見返し、本文紙には破損、部分欠損、折れ、汚損、染みなどが見られる。

【処置方針】
重量のある大型本のため構造上の耐久性を向上させ、将来の安定的な利用を可能とさせる。

【主な処置内容】
①ドライクリーニング
②背表紙を取り外し、背固めの除去
③背固め用和紙を貼付
④見返し、本文紙の破損、部分欠損、折れなどの修理
⑤裏打ち寒冷紗によるヒンジで、表紙と中身を再接続
⑥開閉時の背の形状保持と表紙と中身の接続補強のため、クータを製作して貼付
⑦背に芯紙(中性厚紙)を貼付
⑧新規背表紙のクロスを染色し、裏打ちしたものを貼り込む
⑨元背の貼り戻し
⑩立てた状態で配架するため、中身の落ち込みを防ぐ目的でチリ高分の支持台(マクラ)を入れたブックシューに収納

保存修復処置事例

お見積や資料保存に関するご質問など、お気軽にお問合せください。 TEL 048-711-1111 受付時間 9:00~17:00 (土・日・祝日除く)

メールでお問い合わせはこちら

保存修復処置事例

  • お問い合わせ
  • facebook
Copyright © 株式会社Conservation for Identity (CFID) All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.