【書籍紹介】『西洋本草書の世界-ディオスコリデスからルネサンスへ-』

 大槻真一郎著/澤元亙編『西洋本草書の世界-ディオスコリデスからルネサンスへ-』(八坂書房)が刊行されています。

 ディオスコリデス~!写本挿絵を勉強していた頃が懐かしいです。ウィーン本からの引用が多いようですので、以下は当時のノートからの抜粋です。

 ウィーン本のディオスコリデスは512年にコンスタンティノープルで制作。370mm×300mm。制作当時から挿絵入り薬学/自然科学写本という実用性から各時代において活用され続けました。第4回十字軍の際に西欧に渡り、1569年神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世がこれを購入、ウィーン帝室博物館に収められました。写本の大部分がほぼ完全な形で残っています。当初は546葉あったと考えられていますが、そのうち485葉が残り、そのうち4葉は後補の羊皮紙です。

 名著『ディオスコリデス研究』のエッセンスに、翻訳書(プリニウス等)の解説、晩年の雑誌連載を加えた新編集。図版多数。生涯を通じてその研究に心血を注いだディオスコリデス『薬物誌』(紀元1世紀成)を中心に、古代ギリシアから近代まで連綿と受け継がれた「ギリシア本草学」の豊かな知的遺産の具体的なすがたを、硬軟自在の語りで生きいきと解き明かす。(公式サイトから)