接着剤としての膠の使用はすでに古代から行われており、製本工芸においてもその初期から使用されていたと考えられます。
その特徴としては、
①他の天然接着剤(特にデンプン系のもの)に比べて、塗布後短時間で強い接着力を示し、気温などに接着力が左右されにくい。
②加熱により比較的高い濃度のものが使用できる。
③冷えるとゲル化するが、加熱により再使用できる。
④保存条件が適当であれば、長期的にも非常に安定で老化の心配がない。
⑤水溶性の接着剤なので耐水性には劣る。
⑥膠は溶けた状態(ゾル)や湿潤状態では微生物による腐敗やカビの発生を起こしやすい。
などが挙げられます。
今日優秀な合成接着剤が開発され、膠は工業的には接着剤としてほとんど使用されなくなりましたが、製本工芸の世界では数百年間の安定性の実績があります。また、接着剤としてではありませんが、洋紙(あるいは和紙も)のサイジング(滲み止め)として、ロジンサイズなどの工業的な方法が行われる以前は、膠と明礬の混合溶液(礬砂)に浸けたり(タブサイズ)、あるいは刷毛で引いたりすることが行われていました。
(つづく)


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