製本の各工程において使用される接着剤は、主として糊(ノリ)と呼ばれるデンプン系接着剤と、膠(ニカワ)である。この2つは、ともに古来より製本のみならず様々な工芸で使われてきた。特に糊は和本においても洋本においても、その多くの工程で使用されており、製本において最も重要な接着剤である。ここではまず、一般に糊と言われるデンプン糊、およびそれから誘導された接着剤について取り上げる。
1.デンプン
精製したデンプンは純白の粒子で実際の形、性状は原料となった植物によってかなり異なる。その粒子のことをデンプン粒という。
デンプン粒はα-グルコースが直鎖状に連なったアミロースと、分枝したアミロペクチンの混合から成り立っている。後者は粒子の骨格を形成し、アミロースはそれに包蔵される形で存在している。さらにそれらの分子鎖は集合して、ミセルを形成し互いに連結して層状をなし、粉粒を形づくっていると考えられている。


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