保存を目的とした用途のための糊として安心して使用できるものをご紹介して参ります。
①生麩(吟生麩)
古来から表装などに用いられているものです。小麦粉澱粉から麩分(グルテン)を取り除いた粉末(もしくは湿体)の原料から自分で糊を調整します。グルテンを十分に取り除くことにより腐敗やカビを生じにくくなり、また過度な粘稠性をもった糊を作ることができます。調整方法はこれまでに記した単純熱糊法で、まず約4~5倍の水によく原料を懸濁させ(よく掻き混ぜながら原料に水を少しずつ加えていき、俗にいうダマが出来ないようにする)、それをかき回しながら徐々に加熱していきます。糊は段々と粘稠性を増し、やがてなめらかで半透明な状態になります。表装などにしようする場合はそれを冷やしてから濾して使用しますが、製本の場合は注意深くママコ(デンプンの塊)などが出来ないように調整すれば、その必要はないでしょう。ただし、見返しなどに和紙や薄手の紙を使ったり、その裏打ちをする場合などは濾して使用すると良いかもしれません。糊の濃さ(粘稠性など)は接着する紙の種類や面積そのほかの条件により、必要なら適当に薄めて使用します。
表装に使用されることで良く知られている古糊も吟生麩から作るものですが、甕などに密封して長期間保存することで微生物などによってデンプンをデキストリンに分解させたものです。その結果、接着力・粘着力は低下しており、表装の作業の一部にはそれが良い結果を示しますが、製本等の作業にはあまり向いてはいません。
参考サイト:全国小麦粉分離加工協会


この記事を読んだ方は次の記事も読まれています