綴じ糸の古色付け

 以前掲載した記事ですが、実際に古色付けした糸としていない糸を茶変色した紙に置いて比較した写真を追加しました

 以下、一部加筆の上で再掲です。

 書籍の綴じ直しに使用している太さの異なる数種類の麻糸に矢車(やしゃ)で古色を付けました。近現代の茶変色した資料の綴じ直しで古色付けしていない糸を使用すると、変に目立ちすぎないことがよくわかります。例えば、一折中綴じの雑誌の見開きページのど真ん中に白い糸が横たわっていたら誰でもそこへ目が行き、閲覧(鑑賞)の妨げになってしまいます。
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 また、和紙に古色付けしたものとしていないものの比較写真も掲載します。これは、破損だったり強い折れやそれに伴う裂けのような損傷に対して使用する補修紙は(本文紙の厚み等にもよりますが)3g/㎡前後という極薄の和紙なのですが、比較をしてみるとその見た目が大きく異なることが分かります。