保革油他のレシピ

 修復学校でお世話になったRoberto Bartolini先生に教えていただいた保革油他のレシピ。この内容でそれぞれを試したことはないのですが、保革油に関しては市販されているものと内容物は同じです。分量に幅を持たせているのは粘度だったり、それぞれの材料が持つ性質をどの程度効果として求めるのかによるものと思われます。

 羊皮紙用の軟化剤は、硬化した場合に用いるものだと思いますが、以前弊社で作業した硬化した羊皮紙装表紙の改善処置で使用したポリエチレングリコールとどのような結果の違いがあるのか?微量に含まれる油脂分が羊皮紙にどう影響するのだろうか?

【タンニン鞣し革用の保革油】
ラノリン 40%~25%
牛脚油(Neatsfoot Oil) 40%~60%
 ※牛脚骨から得られるオレイン酸を主成分とする液状オイル
蜜蝋 20%~15%

 このレシピで作ったクリームを革に軽く叩くように塗り、これにより牛脚油が均一に吸収される。牛脚油の量は100㎠あたり1g。この保革油は完全に吸収されるまで、まだ湿っている革の表面で脱脂綿を用いて塗り込む。

【タンニン鞣し革用の軟化剤】
ソルビトール(多価アルコール)
スルホン化油(Matexil WA-HS)
イオン交換水
 上記の三種を同量混ぜる

【羊皮紙用の軟化剤】
エチルアルコール 70%
石灰水 27%
牛脚油 2%
無水ラノリン 1%