接着剤の分類としては、まず天然接着剤と合成接着剤とに大別できます。前者は主として動植物から抽出・精製によって得られ、後者は今日ではほとんど石油・天然ガスなどの原料から合成された高分子を成分としています。
〔天然接着剤〕
天然接着剤の歴史は古く、古代エジプトですでに牛乳の凝固物をパピルスの製造や木の接着に使っていたといわれ、わが国でも有史以前に、すでに膠やアスファルトを弓や矢の製造に利用していたと考えられます。現代でも伝統的な工芸などでは、昔と変わらぬ調整の接着剤が使われており、またデンプン系接着剤や膠などは、安価ということもあって合成接着剤に添加されて、紙加工業界などで多量に使われています。しかし一般的に天然接着剤は、接着強度が比較的低く、耐水性に欠けるものが多く、その用途は限られており、今日では単独で用いられることはほとんどありません。
1.動物タンパク接着剤
動物の体あるいは乳、血液などから抽出されるタンパク質(種々のアミノ酸の高分子化合物で、動物の種類、原料とした部分などによって構成が異なる。)で、膠(ゼラチン)やカゼインなどは大変古くから使われており、今日でも多量に製造されています。(その用途は接着剤以外の分野が多くを占めていますが。)
①カゼイン : 哺乳動物中の乳中に含まれるタンパク質の主成分で、牛乳中には約3%含まれています。乳酸発酵法、または酸やレンネットの添加により、凝固分離して製造します。かつてはいくつかの添加剤を加え、耐水性を増して、木材の接着や紙の表面塗工用顔料のバインダーとして使われていましたが、今日では合成のものが使われています。
②アルブミン : 血液もしくは卵白より得られるタンパク質で、水、酸、アルカリのいずれにも良く溶けますが、熱により凝固して不溶性となります。金箔押しに使われるギョクはこれを利用したものです。
2.植物タンパク接着剤
①大豆タンパク : 脱脂後の大豆より得られるタンパク質で、種々の塩類、ペクチンあるいはアルカリなどの添加により、適当な粘稠性を持った接着剤が得られます。かつて木材の接着に用いられましたが、耐水性が合成接着剤に比べて劣るため、単独では使われなくなりました。
②小麦タンパク : 小麦中に含まれるグルテンを接着剤として用います。ばんじゃく糊と呼ばれているものがこれで、かつては皮革の接着に使われましたが、変質、腐敗しやすいという欠点を持っています。
次回は〔天然接着剤〕3.樹脂系接着剤からです。


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