【タイトル】教会音楽集(筆写楽譜)
【資料の状態】
総革装とじつけ製本。表裏の表紙は中身から分離し、背表紙は欠失している。表裏の表装革には欠損、浮き、剥離、摩耗、硬化等が見られる。綴じは支持体および綴じ糸が切断されてバラバラな状態となっている。花布はほとんどが失われ、ページ間に糸がわずかに残っている。おもて見返しは効き紙、遊び紙がともに剥離し、それぞれには茶変色や軽度の破損、欠損(効き紙は2/3が欠失)、折れが生じている。うら見返しはノド元が切断され、折れや軽度の欠損等が見られる。本文紙には茶変色の他、軽度の破損、染み(フォクシング)、折れが生じている。









*うら見返し遊び紙に左右方向に紐の跡が残っている。紙漉き後の乾燥工程で紐(馬毛製)に掛けて乾燥させるが、シワが寄る(「back mark」という)ことはあっても、このような強い跡が残ることはないため何故このような痕跡が残ったかは不明。
【主な処置内容】
①刷毛やワイピングクロスで表紙や小口等をドライクリーニング
②綴じを解体し、背固めを除去
③全ページをスポンジでドライクリーニング
④本文紙の洗浄
⑤フィチン酸カルシウム溶液→脱酸性化処置(炭酸水素カルシウム水溶液) pH4.5→pH7.5



⑥見返し紙の欠損修復、本文紙の欠損・破損の修復
⑦折丁背の補強後に綴じ直し(二丁抜き綴じ、背バンド6ply×6本)
⑧生麩糊による背固め後に丸み出し・バッキング
⑨花布をページ間に残っていた糸を参考にして復元
⑩接続補強用ヒンジ(中厚楮紙)の取り付け、表紙と中身の再接続
⑪新規背革の染色・革漉き後に貼り込み
⑫保存容器を製作して収納



【処置後の状態】






