【タイトル】De tutte l’opere del R.M. Gioseffo Zarlino da Chioggia
【刊行年】1589年
【刊行地】Venetia
【資料の状態】
半革装とじつけ製本。表裏の表紙は分離し、表装紙(マーブル紙)には主に周縁部に欠損や摩耗、剥離等が生じている。平の革にもレッドロットや欠損が見られる。表紙ボードも角は大きく欠損している。背革はほぼ欠失している。綴じの支持体は欠失し、綴じ糸は切断しているためバラバラな状態。花布は天地ともに欠失している。表裏の見返しノド元は切断され、見返し紙は茶変色が著しく、その他にも軽度の欠損、破損、折れ等が見られる。また、おもて見返し遊び紙の裏側にはセロハンテープによる修復がなされている。本文紙には軽度の破損、欠損、虫損や折れの他に、ノド元には背固めの膠による染みが見られる。
【処置方針】
本文紙を適宜修復した上で、綴じ直しと欠失した背革を復元することで書籍としての本来の姿を回復させ、バラバラな状態によって懸念される資料の散逸を防ぐ。
【処置前の状態】








【主な処置内容】
①刷毛やワイピングクロスで表紙や小口等をドライクリーニング
②綴じを解体し、背固めを除去後に全ページをスポンジでドライクリーニング
③見返し遊び紙、タイトルページ、最終ページの水性洗浄(ブロッティング法)×6回
④本文紙の折れ伸ばし、欠損、虫損、破損修復および折丁背の補強
⑤見返し遊び紙の欠損を修復し、裏打ち補強



⑥支持体を制作(仔牛革を厚口楮紙で裏打ち、8mm×5本)し、綴じ直し(二丁抜き綴じ)
⑦生麩糊による背固め後に丸み出しとバッキング
⑧接続補強用ヒンジを取り付け、表紙と中身の再接合
⑨背表紙芯紙(AFプロテクトH)の取り付け
⑩新規背革の染色、革漉き後に貼り込み
⑪保存容器を製作して収納



【処置後の状態】






