所属する東京製本倶楽部の研究会で栃木レザー株式会社様(栃木市)を特別に見学させていただいた。同社の主力製品は、植物タンニン鞣しの牛革で、豚革も若干製造されている。その製法は伝統的な方法にこだわり、各工程にいる職人さんの繊細な感覚や熟練した手わざによって、時間を惜しまずに一枚一枚丁寧に仕上げられていることが見学を通して強く実感させられた。

また、タンナー(製革工場)業界の現状として、原皮の調達費用の高騰が挙げられる。それは、飼料のトウモロコシのバイオ燃料への転用や、中国企業による原皮の買い占めの他、世界的なヘルシー志向による牛肉消費の減少の影響もあるという。

洋装本の修復を行っている我々にとって、「革」という素材は必要不可欠な素材の一つであり、我々が最も使用するが、今では希少な植物タンニン鞣し革(流通する革の80%以上がクロム鞣し革)の製造工程を実際に見学でき、また革の特性についての理解もさらに深めることができたことの意義はとても大きい。

最後にこのような貴重な機会を設けていただいた栃木レザー株式会社様に改めて深く御礼申し上げたい。

この記事を読んだ方は次の記事も読まれています

[`evernote` not found]