「はなぎれ」には、背の天地に色糸で編んだものや飾り布を貼付したもの(貼り花布)等があります。その目的としては書架から取り出すときに背の上部が傷まないようにするためや、折丁の端が露出するのを隠すためといわれています。その「はなぎれ」の表記として思いつく、あるいはちょっと調べただけでも「花布」、「花切れ」、「頂帯」、「端切れ」、「端布」、「ヘドバン」、「ヘッドバンド」等々がありました。

ここへ最近新しい表記を見つけました。
明治22年(1889年)から大正5年(1916年)にかけて刊行されていた雑誌『風俗画報』108号(明治29年)の蓮池畔人著「新撰百工圖製本職圖解」という和洋の製本について書かれた記事の中に「天地にヘト切といふを付るなり」という「貼り花布」を貼付する工程を示した一文があり、ここに「ヘト切」というこれまでに聞いたことのなかった表記が出てきました。英語と日本語をごちゃ混ぜにしたような表記となっており、位置的には和装本の角裂のようでもあるけどそうでもないあの物体をどのように日本語で表現したものか?と先人たちの苦労した跡が分かったようでとても面白いです。

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