裏打ちする?しない?

 和装本の本文紙にできた虫損に対して「虫損部分のみ手繕い」、「裏打ち+敷干し」、「裏打ち+仮張り」等の処置を施した時に本文紙の表面(表情)はどのように変わってしまうのでしょうか?

 画像をご確認いただくと、「裏打ち+敷干し」であっても手繕いと比べると表面の変化があることが分かりますが、「裏打ち+仮張り」となると表面が極端に平滑になり、機械漉き洋紙のような手触り(感覚としては漫画の単行本のよう)になってしまいます。

修復方法による表面の違い

 本文紙の表面にこれだけの変化が起こるとなると、当然それ以外にも変化が起こります。本を読もうと開いたときに、「裏打ち+仮張り」を行ったものでは押さえていないと本が閉じてしまうような状態となってしまいます。「裏打ち+敷干し」でもかろうじてバランスが取れると開いていられる状態となっていることがよく分かります。

 直線、直角、まっ平らという美観的な側面のみを重要視してキレイに直りました!では済まないこと=本の本来の姿が失われる可能性が処置方法によっては起こりうるということです。所蔵者からの仕上り具合や予算等のご要望をお聞きして、それに合わせてお示しした処置方法を選択した結果生じるマイナス面もきちんとお伝えするのも重要なことと考えております。