和装本の虫損直し用として主に使用している小刷毛の毛先が短くなってきたので、スペアをそろそろ用意しておくことにしました。買い求めに行ったのは浅草(稲荷町駅から徒歩数分)にお店を構える(有)宮川刷毛ブラシ製作所さん。お邪魔したついでにこの小刷毛に使われている毛のことについても色々と伺ってきました。

使われている毛は馬毛で、その中でも熊毛(関東ではそう呼んでいるとのこと。馬なのに熊!というややこしさ。)という尻尾の中の方にある成長していない毛のみを使用しています。なぜ「熊毛」というのかについては、「駒」は子馬を意味することから成長していない毛を「駒毛」と言っていたのがいつしか「熊毛」に変化したのではないかとも。この熊毛を使った刷毛は、凧絵や油絵を描く人も使っているそうです。

熊毛と謳っていても実際は、他の毛が混ざっているものが非常に多く、純粋に熊毛だけのものはあまりない模様。しかも、熊毛だけを選別する人がいないため、もう手に入らないそうです。お店の方は「綺麗な仕事をしたい人が多くなっているから仕方がないのかなぁ」とも仰っていましたが、良い仕事をするための良い道具を手に入れるのも非常に難しくなってきました。使い手ができることは、良質な和紙を護っていくために増田勝彦先生がよく仰っているように継続的に買い続けていくことくらいなのでしょうか。

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